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水の季節(あらぐさ抄) | 高橋実の本棚

あらぐさ抄(長岡よみうりのコラム)column

水の季節 あらぐさ抄

 

水の季節

 水の季節になった。海やプールもにぎやかな声であふれかえっているだろう。
 筆者が中学生だったころ、もう60年余りも昔の頃のプールなどはなく、泳ぎはもっぱら川だった。大人が昼寝の時間に連れ立って川に向かった。川にも大きく流れが湾曲した場所が恰好な水泳場だった。もちろん大人の監視役などなかった。
 学校が夏休みに入った初日だった。その時小学生が深みに入って溺れた。水中にもぐって姿は見えない学校や集落への連絡で大騒ぎになった。大勢の大人がやってきて、30分も過ぎたであろうか水の底に沈んでいた小学生引き上げた。
 いままで元気にはしゃいでいた仲間が遺体となってその手足のあまりの白さに驚いた。この時人が死ぬということはこう言うことかと初めて知った。あの遺体の手足の白さが今でもまざまざと瞼に浮かぶ。この夏、水の事故がないことを祈る。(みのるん)

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