本文へスキップ

秋の日は釣瓶落とし(あらぐさ抄) | 高橋実の本棚

あらぐさ抄(長岡よみうりのコラム)column

秋の日は釣瓶落とし あらぐさ抄

 

秋の日は釣瓶落とし

 いよいよ秋も深まり、夕暮れが早まった。こんな時の諺に「秋の日は釣瓶落とし」というのがある。このことわざも今では意味が通じない人が多くなった。いったい釣瓶とは何か、見たことがない人が増えてきた。釣瓶は井戸の水をくみ上げる道具である。筆者が高校生時代昭和三十年初めころには、まだ使われていた。井戸水を汲んだあと、滑車につながった空の容器を井戸の底に落とす動作を釣瓶落としと呼ぶ。加賀の千代女の句「朝顔に釣瓶取られてもらい水」というのがある。釣瓶縄に絡みついた朝顔の蔓をそっとして釣瓶を使わず、もらい水したという優しい気持ちの入った句である(みのるん)

 > 秋の日は釣瓶落とし >