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死刑囚歌人島秋人(あらぐさ抄) | 高橋実の本棚

あらぐさ抄(長岡よみうりのコラム)column

死刑囚歌人島秋人 あらぐさ抄

 

死刑囚歌人島秋人

 今年もまもなく終わる。今年印象に残った出来事の一つにオウム真理教の関係者13人もの大量死刑囚の執行がある。ここで柏崎市出身の死刑囚歌人島秋人の歌集『遺愛集』を思い出して書棚の奥から引っ張り出して読んでみた。
 死刑囚島秋人は刑務所の中から中学時代の先生にお礼の手紙を書いたのがきっかけで短歌の道に進んだ。拘置所の中で「人間性」取り戻して行き、獄舎の中から透き通るような歌を作り続けた。その短歌の価値を認め、「毎日歌壇」に載せた歌人が窪田空穂である。空穂は秋人の処刑前になくなるが、その遺志を息子の章一郎が継いだ。そして『遺愛集』の出版につながった。しかし、歌集は秋人の刑死後の出版で、秋人は生前手に取ることはできなかった。
 「処刑死をおそれし夢よ覚悟なく今ある生命独り愛しむ」などの歌が歌集に詰まっている。死刑を宣告されたことで自らの生き方見つけた島秋人は三十三歳で刑場に消えた。(みのるん)

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