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餅つき(あらぐさ抄) | 高橋実の本棚

あらぐさ抄(長岡よみうりのコラム)column

餅つき あらぐさ抄

 

餅つき

 年末がそこまで来てしまった。正月といえば餅は欠かせない。いまはスーパーで餅を刈ったり、鏡餅を買ったりするが、正月前の餅つきは家の一大行事であった。
 朝から女衆は蒸籠で餅米を蒸かす。男衆は臼と杵の準備をする。餅米が蒸しあがると冷めないうちに素早く臼の中にあけて、ドスンドスンと餅つきが始まる。突き方が臼を持ちあげている僅かの隙を狙って、反対側に待つ相方が手早くついた餅を裏返す。二人の呼吸が合わないと杵で相方の手をつぶしたりすることになる。杵を振り下ろすたびに米粒だった餅米がつぶれて臼の中で大きな円形の餅の塊ができる。これを近くに用意しておいた伸し板まで運び、柔らかいうちに、伸し棒で厚さ数センチ幅に伸ばしてゆく。それを見ている子どもには隅のもちを千切って分けてもらえる。そのつきたての餅の美味しかった事。その餅を千切って丸め、神棚や仏壇のお供え餅にした。特大の鏡餅も作られた。その餅を一晩伸し板に置いたままにして、翌日カルタ大の長方形に刻んだ。
 餅も白い餅だけでなく、くず米にヨモギを混ぜた「えりご」もあった。草餅、豆餅などもあった。食べ方も黄な粉餅、あんころ餅、雑煮餅と様々である。(みのるん)

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