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雪道を歩く(あらぐさ抄) | 高橋実の本棚

あらぐさ抄(長岡よみうりのコラム)column

雪道を歩く あらぐさ抄

 

雪道を歩く

 雪道を歩く機会も少なくなった。この頃は細い道まで除雪が進んで、かんじきを履いて雪道を歩く経験のある人は少ないであろう。新雪がどっと降り積もった雪道を歩くには様々な注意が必要である。山の中の電柱を管理する人や、猟師で山中を歩く人など限られた人しかいなくなった。
 しかし、かつては真冬に雪道を歩くことはむしろ普通の事だった。雪道は人の足跡しか残らず、道は線でなく点だった。前の人の足跡を見つけてそこを踏まないと、たちまち腰まで埋まってしまう。
 「雪道は灯りと食べ物が必需品だ」といわれた。雪の降らない時なら、すぐ行ける距離であっても、新雪の雪道を一歩ずつ歩くのは、思いがけず時間がかかる。夕方灯りがなければ一歩も歩けない。それに体力を使うのですぐ食べられるものを持っていないと動けなくなる。「雪道をスキーで歩くな」ともいわれた。スキーが人の足跡を消してしまうからだ。それに何より足回りがしっかりとした靴でないと靴の中に雪が入ってしまう。寒さを通さない厚い衣服を身につけておく必要がある。雪道の怖さをこの頃忘れている。(みのるん)

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