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断捨離は難しい(あらぐさ抄) | 高橋実の本棚

あらぐさ抄(長岡よみうりのコラム)column

断捨離は難しい あらぐさ抄

 

断捨離は難しい

 現代は物であふれる時代といってもよい。最近、断捨離という言葉をよく耳にする。断捨離は提唱者やましたひでこの提唱で、「もったいない」という固定観念に凝り固まってしまった心を、捨てることで、物への執着から離れ、自身で作り出している重荷からの解放を図り、身軽で快適な生活と人生を手に入れることが目的であるという。
 冷蔵庫の中は冷凍の食物が山になっていて、減らない。タンスの中は着るものであふれている。そして書棚は埃をかぶって、読まない本であふれている。
 残された命の時間が後に迫っている。筆者の死後、これらはどうなるのだろう。ゴミの山として後始末に残されたものたちを悩ませることになろう。なんとか生きている間に始末したいと思っても、どこから手を付けたらいいのか、何冊もあるアルバムや日記は、ゴミとして燃やされる運命になるのだろうか。これがゴミとなると、80年間生き続けてきたわが人生がすっかり消えてしまうような気がして後悔先に立つ。後に続く子供たちはその価値を知らないであろう。それでもどこか活字になったのを見ることができればそれでよしとするべきか。断捨離は難しい。(ひこぜん)

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