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以仁王伝説 | 著書紹介

著書紹介book

『以仁王伝説(もちひとおうでんせつ)』を紹介します。

以仁王伝説  高橋郁丸/画・高橋実/脚本

以仁王伝説のマンガストーリー作成にあたって

高橋 実
以仁王伝説

 「以仁王伝説」のマンガストーリーを書くように頼まれた時、二つの心配点があった。後白河天皇の第三皇子以仁王は、治承四年、平家の横暴に源頼政と共に、平家に反旗を翻し、奈良光明山の鳥居の前で流れ矢に当って死んだとされている。だが、会津に残る高倉以仁王御伝記によれば、死んだのは、替え玉で、以仁王は逃げ延びて、越後小国郷に住んだという。そこから柿花仄氏の「皇子・逃亡伝説」の著書につながった。
 北原家に伝わる巻物が契機になって「皇子・逃亡伝説」が書かれたが、そのなかだちをした人について触れない訳にはいかない。小国町原出身で、東京杉並で電気店を営む北原一良氏である。氏は柿花仄氏の近くに住み、姻戚関係にある。そこでどうしてもこの巻物にまつわる以仁王伝説を本にまとめたいと頼み、柿花氏がその企てに応じたのである。そういう意味で北原家の一員である北原一良氏が果たした役割は大きいものがあった。
 史実と伝説の狭間をどう埋めたらよいか。だれが、以仁王を小国に案内したのか、小国の城ではだれが迎えたのか。ここにストーリー構成の苦心があった。何回か歴史ロマンを語る会が開かれ、多くのアドバイスを受けた。こうして私の脚本書き直しは前後六回にも及んだ。
 もう一つの心配点は、初めて書くマンガストーリーを、どう書いたらよいかと言うことであった。劇の脚本は何回か書いたが、マンガストーリーの執筆は初めてだった。仕方ない、劇の脚本のような書き方でゆくことにした。以仁王伝説登場人物の年齢、服装、背景など何もかもわからない事だらけだった。こちらは、歴史マンガを多く手がけている高橋郁丸さんに助けられた。脚本が出来てから驚くほど早く、郁丸さんの「ネーム」が届いた。ネームなどということばも初めてだった。この中でストーリーにない多くの場面を実にうまく挿入してもらい、作品にふくらみがでて一層魅力的な人物描写となった。
 こうして多くの人達に助けられつつ、このマンガ本制作は進められた。この本が小学生を含めた多くの人達に、末永く愛読され、小国の人々に、改めて郷土の歴史に目を向ける機会になったら、この上なく嬉しいことである。


発刊にあたって

歴史ロマンを語る会会長 北原 勲

 柿花仄先生の「皇子・逃亡伝説」がこのような形で多くの人達に読まれることになった。ここまで来るに当っては、役場前企画商工課長山岸宏氏・広田参事はじめ、柿花先生と仲介の労を執っていただいた北原一良氏や歴史ロマンを語る会の皆さんのお陰である。
 北原家の一族である私が、歴史ロマンを語る会会長として、北原家の宣伝に一役買うというのは、何か面はゆい感じで会長になることを極力辞退したのであるが、会の皆さんに押されてやむなく就任せざるを得なくなった。
 さて、この物語は、悲劇の皇子以仁王の平家追討の令旨が発端になっている。中国では悪しき王の世は天命のあらたまる王に交替させるという革命思想が王朝の交替をもたらしていた。以仁王の令旨こそ王朝の改造そのものであった。吾妻鑑が伝える以仁王の令旨本文によれば、「吾は一院(後白河院)の第三皇子として天武天皇の旧儀を尋ね、王位を押し取る輩を追討し、上宮太子(聖徳太子)の古跡を訪ね、仏法破滅の類を討ち滅ぼさん」と頼朝が挙兵し、石橋山の陣中に以仁王の令旨が旗の上に翻っていたという。
以仁王伝説  以仁王は、自らを壬申の乱(六七二)の天武天皇になぞらえて公然と天下にしめされたであろう。壬申の乱は、弘文元年天智天皇の子大友皇子と天皇の実弟、大海人皇子との間に皇位継承権をめぐって一ヶ月に及ぶ内乱のことで、吉野宮に隠棲していた大海人皇子は、天智天皇の乱後、伊賀、伊勢を経て、美濃にはいり、(関ヶ原関所)近江を押え、大友の皇子の軍を大破し、皇子を自害させた。翌年正月、即位して、天武天皇となり、改新政治を推進した。政治の根本は、人民の公民化である。歴朝の皇族・豪族の私有化を許さない。農村生活にかかわる、山林、原野、用水をことごとく国家管理に移すなど、すなわち大化改新に倣って、民を押さえつけるだけでなく、公民と国の安定を願ったのである。
 さて、ひるがえって、私たちの子どもの頃、正月の十一日(戦前の正月は一ヶ月遅れ)になると、北原家総本家(北原信義氏)に巻物様について身内がひそかに確かめあう行事が行われた。私の曽祖父(天保五年生れ)曽祖母(安政六年生れ)、祖母(明治六年生れ)などよく語り伝えてくれた。それはそれは大事な巻物なのだと語ってくれた。
 戦争が終り、平和となった今日、一族だけでというタブーを改めるため、公開致す事となった。幸いにも大変苦労をなされて、「皇子・逃亡伝説」として世に出された、柿花仄先生とは、一族の内に姻戚関係の方もおられ、町企画商工課、歴史ロマンの会有志の方々に改めて厚く御礼を申上げます。
 かかわりあった、先祖達も泉下でよくやってくれたと、語り合ってあるのではなかろうか。

 

以仁王伝説目次

第一章 巻物出現(まきものしゅつげん)
第二章 平家追討 以仁王令旨(へいけついとう もちひとおうりょうじ)
第三章 小国をめざして(おぐにをめざして)
第四章 以仁王小国入り(もちひとおう おぐにいり)
資料編


<本の紹介>

タイトル:以仁王伝説
タイトルよみ:モチヒトオウ デンセツ
編著者:高橋実/脚本
編著者:高橋郁丸/画
出版地:長岡市
出版者:小国町歴史ロマンを語る会
出版年:平成14年10月1日
ページ数:105p
大きさ:21cm
価格:750円(本体価格714円)


 

・ご購入を希望の方は高橋実(0258-95-2340)までお問い合わせください。