小千谷市小栗山 小栗山木喰観音堂 木喰仏三十五体の大群像の一部
『木喰仏を巡る旅―越後佐渡 ほほえみの仏たち』の内容の一部です。
長岡市小国町の真福寺は木喰上人の寺として知られている。山門石段の上り口に、「木喰五行菩薩御作安置之霊場 柳宗悦(やなぎむねよし)書」と書かれた石碑が立っている。
山門に木喰の仁王像阿形と吽形の巨像が参詣者を見下ろしている。いかめしい仁王像のイメージとは別にどこかユーモラスな表情をしている。小国の生んだ幕末から明治にかけての力士伊勢ノ海、両国の二人はこの仁王像に願掛けをしたといわれる。阿形の総高は二百四十四センチ、背銘に文化元年(1804)、四月二十一日とある。吽形は総高二百四十三・六センチで背銘には、文化元年五月二日とある。
『小国町史』には、阿形の重さ百四十貫(五百二十五キロ)吽形百貫(三百七十五キロ)と記している。木喰の一木彫成としては、小千谷市小栗山木喰観音堂の如意輪観音像二百四十一センチを超えて全国でも最大の巨像である。用材は隣村諏訪井の白山神社自生の欅(けやき)を切り倒し、地元の大工長谷川松太郎が手伝ったといわれる。
ほかに金毘羅像(四十九センチ)と梨木(なしのき)観音(九十九センチ)の木喰仏がある。金毘羅像の彫像年月が享和四年(享和四年は二月十一日に文化と改元された)八月十三日となっているが、これは青柳家で刻まれたものである。梨木観音は仁王彫成後、近くの床屋上坂正助家を訪れ、庭前の梨の木に霊威を感じ立ち木に彫った。後に木が枯死したので観音像を切り取り、明治四十一年(1908)寺の背後に堂を建立して安置された。
真福寺に残る「竜水の軸」の裏に木喰が文化元年四月一日古志郡小栗山から来たことが記されている。
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長岡市白鳥 真言宗豊山派寶生寺 三十三観音の大群像の一部(下段中央は木喰上人自刻像)
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