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木喰仏を巡る旅(西光寺) | 著書紹介

著書紹介book

木喰仏三十五体の大群像の一部

小千谷市小栗山 小栗山木喰観音堂 木喰仏三十五体の大群像の一部

『木喰仏を巡る旅―越後佐渡 ほほえみの仏たち』の内容の一部です。

西光寺(柏崎市)

西光寺(さいこうじ)

西光寺  木喰仏のある西光寺は、白鳥が渡来する沼として知られる柏崎市長嶺「大池」のほとりに立つ真言宗豊山(ぶざん)派の古刹である。ここには木喰上人の刻んだ十二神将(四十九センチ〜五十センチ)が安置されている。木喰上人が文化二年(1805)六月二十一日から二十七日までの一週間足らずで彫りあげた。背銘の中央に「薬師如来」あるいは「十二神将」と書かれ、左右には「日本千タイノ内」「天下和順日月清明」「天一自在法門・木喰五行菩薩八十八歳花押」などと書かれている。文化二年春には、柏崎市大泉寺などで十六体、夏には椎谷坂ノ下観音堂などで十体あまり、秋には南魚沼付近などで仏像を彫り、この年木喰上人の彫った仏像は実に三十体を超えて最も仏像彫成に脂の乗り切った年だった。そして年齢は八十八歳、通常では考えられないエネルギーと言えよう。
 大正十三年(1924)の柳宗悦(やなぎむねよし)の木喰仏探訪では発見されず、昭和四年(1929)本堂の屋根ふき替え中、天井裏から偶然発見された。薬師如来を守護する十二神将といえば、武の神で甲冑(かっちゅう)に身を固め、いかめしい姿でにらみを利かせているのが一般的であるが、木喰十二神将は少し違っている。武具などは身につけず裸の姿もある。

西光寺  その昔、西光寺には本堂に隣接して薬師堂があって、十二神将はそこで薬師如来を守護してきたのであるが、明治期に薬師堂を取り壊して経蔵を建てることになり、そのとき本尊は本堂内陣に、十二神将も粗末にできないと新聞紙に包み、内陣の天井に上げておいたということである。その薬師に従うものとして木喰上人が依頼されて彫ったものであろうか。確かに武装し、眉をつり上げているものもあるが、十二体の中には、こぼれるような笑顔を浮かべている像が二体あり、その内一体は鬚(ひげ)をたくわえていて、自刻像を思わせる姿である。鬚の先端が風に吹かれたようになびいている姿はほほ笑ましいほどである。よく見ると、表情はおおらかで笑っているものもいて愛らしい。その顔かたちも見方によっては老人にも女性にも、児童にも見える。目が大きく、頭が大きく、四〜五頭身ほどの体型は、子どものように愛らしい。
 この中の一体は平成十四年(2002)日本文教出版の教科書「高校美術I」で「日本の木彫」の項に、取り上げられて掲載され脚光を浴びた。
 近くの小学生が夏休みの自由研究に取り上げたいと訪れたこともあるという。


 
※ 木喰仏の写真は本書をご覧ください。
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<本の事項>
書 名 木喰仏を巡る旅
副書名 越後佐渡 ほほえみの仏たち
著者名 高橋 実/著
    大久保 憲次/監修
出版社 新潟日報事業社
出版地 新潟
出版年 2011年
定 価 1600円+税
ISBN 978-4-86132-441-3


※ 『木喰仏を巡る旅』目次のページをご覧ください。

 

長岡市白鳥 真言宗豊山派寶生寺 三十三観音の大群像の一部

長岡市白鳥 真言宗豊山派寶生寺 三十三観音の大群像の一部(下段中央は木喰上人自刻像)

■木喰仏の本のご紹介