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木喰仏を巡る旅(十王堂) | 著書紹介

著書紹介book

木喰仏三十五体の大群像の一部

小千谷市小栗山 小栗山木喰観音堂 木喰仏三十五体の大群像の一部

『木喰仏を巡る旅―越後佐渡 ほほえみの仏たち』の内容の一部です。

十王堂(柏崎市)

十王堂(じゅうおうどう)

 柏崎市街の鵜川沿い、関町会館にある十王堂は、越後宇佐美氏の居城であった枇杷島城跡近くにある。
十王堂  ここには、閻魔大王・十王尊・賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)など八体が安置されているが、十王尊三体と葬頭河婆(そうずかばば)は柏崎市立博物館に寄託されている。この木喰仏の中心が閻魔大王である。「王」の文字の入った王冠をかぶりぎょろりとした大きい目。開いた口にはいかめしい歯が並んでいる。柳宗悦(やなぎむねよし)は「威力の表現において傑出」と表現した。この大王の歯は中越沖地震で何本かが欠けてしまった。
 その大王の眷属(けんぞく)として脇を固めるのは十王尊、眉を吊り上げ、辺りを脾睨(へいげい)している。それに比べてビンズルさんの名で親しまれている賓頭盧尊者は、突き出た頬、だんご鼻、まあるい顔で幸せを顔いっぱいに漂わせている。見ていると、世情の悩みがすべて消えてしまうような気持ちに誘われる。

 文化二年(1805)、木喰上人はここで新春と八十八歳の米寿を迎えた。それを祝う自画像と「はちぼくの歌」を読み込んだ版画を彫って人々に配った。「木喰の身ハはちぼくやあけのはるおもしろそふなぎょけいなりけり」がその歌。八木(はちぼく)の文字を分解すれば八十八になり、「あけのはる」は新春、それをことほぐ御慶、木喰上人の晴れやかな気分を感じさせる。木喰上人がこの仏像を彫ったのは、文化元年十一月九日から文化二年正月二日。閻魔大王は九十一・五センチの大きさ、他の仏像も七十センチから八十センチの大きさである。
十王堂 十王堂の火災で本尊も本堂も失って意気消沈していた住民に頼まれて近くの水車小屋に寝泊まりしてこれらの像を彫ったといわれている。
 現在の堂の管理は関町町内会で関町会館の管理と一緒にされている。堂内に柳宗悦(やなぎむねよし)の手紙が飾ってある。柏崎の木喰研究家故三宮勉氏は勤務校が近くだったため、たびたびこの堂を訪ね、ここが氏の木喰研究の出発点となった。かつて東京で「円空・木喰展」が開かれた時、この木喰仏がポスターに使われた。


 
※ 木喰仏の写真は本書をご覧ください。
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<本の事項>
書 名 木喰仏を巡る旅
副書名 越後佐渡 ほほえみの仏たち
著者名 高橋 実/著
    大久保 憲次/監修
出版社 新潟日報事業社
出版地 新潟
出版年 2011年
定 価 1600円+税
ISBN 978-4-86132-441-3


※ 『木喰仏を巡る旅』目次のページをご覧ください。

 

長岡市白鳥 真言宗豊山派寶生寺 三十三観音の大群像の一部

長岡市白鳥 真言宗豊山派寶生寺 三十三観音の大群像の一部(下段中央は木喰上人自刻像)

■木喰仏の本のご紹介