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木喰仏を巡る旅(圓蔵寺) | 著書紹介

著書紹介book

木喰仏三十五体の大群像の一部

小千谷市小栗山 小栗山木喰観音堂 木喰仏三十五体の大群像の一部

『木喰仏を巡る旅―越後佐渡 ほほえみの仏たち』の内容の一部です。

圓蔵寺(上越市)

圓蔵寺(えんぞうじ)

 上越市大潟区犀潟(さいがた)にある真言宗豊山(ぶざん)派圓蔵寺は、すぐ裏手が日本海である。ここに木喰仏の不動明王半珈(はんか)像(文化二年=1805=三月二十八日、九十一センチ)と毘沙門天半珈像(文化二年四月三日、九十五センチ)の二体が安置されている。二体ともごつごつした岩の上にすっくと立っている。大日如来の使者として災害や悪を除き、煩悩を抱える衆生(しゅじょう)を救うために、炎を背景に剣を携えて憤怒(ふんぬ)の表情をたたえる不動明王。背後に渦巻いて燃え上がるように大きく力強く彫られた炎の光背、見開いた目、長く太い髪の毛が横腹まで届いている。飛び出た頬骨、力強く結んだ口が印象的である。
圓蔵寺  そして四天王の一人として北方の警護に当たる守護神毘沙門天。戦国時代越後の春日山を居城にした上杉謙信は毘沙門天の「毘」をもって旗印にした。頭上の大きな兜、大きく見開いた目、踏ん張った足の太さ、その足に踏み潰(つぶ)されそうな邪鬼が悲鳴を上げている。右腕をやや上にした握り拳に力が満ちている。この像の顎下に幼児の誕(よだれ)かけのように巻いている襞襟(ひだえり)は木喰仏のさまざまな仏像に見られる。近世初期日本にやってきたヨーロッパ人のそれを思わせる。この木喰仏は圓蔵寺の末寺吉川区神田町の無量庵で刻まれたが、無量庵が廃寺になったのをきっかけに、昭和三十七年(1962)にここに移されたという。
 冬になると、すぐ裏手の日本海は荒波が牙をむく。大地を揺るがすような波音が内陸まで響き渡る。荒れ狂う日本海を睨(にら)みつけて一歩も引かない気迫を持っている二体の木喰仏はこの寺に置かれてこそふさわしい。


 
※ 木喰仏の写真は本書をご覧ください。
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<本の事項>
書 名 木喰仏を巡る旅
副書名 越後佐渡 ほほえみの仏たち
著者名 高橋 実/著
    大久保 憲次/監修
出版社 新潟日報事業社
出版地 新潟
出版年 2011年
定 価 1600円+税
ISBN 978-4-86132-441-3


※ 『木喰仏を巡る旅』目次のページをご覧ください。

 

長岡市白鳥 真言宗豊山派寶生寺 三十三観音の大群像の一部

長岡市白鳥 真言宗豊山派寶生寺 三十三観音の大群像の一部(下段中央は木喰上人自刻像)

■木喰仏の本のご紹介