本文へスキップ

カエルのかか【異類女房】越後の昔話集

カエルのかか(越後の昔話)mukasi

カエルのかか【異類女房】

―高橋ハナ昔話集―より | おもしろい新潟県の昔話

 
カエルのかか

 あったてんがの。あるどこに、ひとりもんのあにがいたと。あるどき、町に行って帰って来る途中に、かわいい娘が、道端の木の根っこに腰かけて苦しんでいたと。
あには
「おめえ、どうしたがら」
と聞くと。娘は
「おら、ここまで来たろも、なんぎくって動かんねえ」
とようんだんが、あには
「そら、かわいそうだ。おらのうちは、すぐそこらすけ、おれがぶっていってやる。おらうちで、休んでいれや」
とようて、娘をぶって、家に連れて帰り、薬を飲ませて、大事にしていたと。娘の病気はすぐ治り、あにのまんましたり、洗濯したりして、しんけんに働くと。いっこう家に帰ろうとしないがんだと。そうして、あにに
「あに、おれを嫁にしてくれ」
と頼んだと。あには
「おめえがよかったら、なじょうも(どうぞ)そうしてくれ」
とようて、あにに嫁になって良く働くと。あにも
「おらいいかかもろうた」
と喜んでいたと。
 あるどき、かかが、
「家に法事があるすけ、やらしてくれ」
と頼んだと。あには
「おう、なっじょうも行って来いや。法事だけや、米持ったり、包み物のろうそく持って行けや」
とようと、かかは、
「おら、なんにもいらんすけ、からだだけやらしてもらいたい」
とようて、出ていったと。あには、かかは自分の家がどこだか、いわんすけ、どこへ行くだろうと思うて後をつけていったと。かかはどんどん山の方に行って、沢ったまの田んぼのカエルがいっぺえいる中ヘガボッと飛び込んだと。あには
「おらのかかはカエルだ」
そう思ってみているうちに、カエルがギャクギャク鳴くてんがの。あにはでっかい石を田んぼのなかへ投げ付けて家に帰ってきたと。晩がたかかが帰ってきたと。あにが
「かか、法事は終えたかや」
と聞くと、かかは
「ああ、法事はめちゃくちゃだった。お寺様がお経を読んでいるてがんに、でっこい石が落ちてきて、お寺様の頭にぶつかって大けがしたんだんが、それで法事は終えてしもうた」
とようたと。あには
「そうか、そうか。おら、元のように、一人暮らしがいっちいいすけ、なあ、家に帰ってくれや」
とようんだんが、かかは仕方なしに、家に帰ったと。いきがさけた。


■「越後の昔話 名人選」CD(全11枚)の販売について■

越後の昔話名人選CD

越後の昔話名人選CD
 高橋ハナさんをはじめ、新潟県の名人級の語り手たちの昔話を収録したCDを頒布しております。
 優れた語り手による昔話は聞いて楽しいばかりでなく、民俗学的にも貴重な民話資料となっております。活字でしか接することが難しくなってきた昔話を、語り伝えられた土地の言葉でたっぷりとご堪能ください。
 高橋ハナさんの昔話など新潟県の昔語り名人CDの内容・お申込みは、「越後の昔話名人選CD」サイトからどうぞ。 リンク先が別ウィンドウで開きます。
 
お求め

書 名 『ムジナととっつぁ―高橋ハナ昔話集―』 越路町史編集委員会民俗部会/編
頒価 1400円 (残部僅少)

・ご購入の申込みや内容のご質問は高橋実(0258-95-2340)まで。
・メールアドレスは、111(迷惑メール防止のため画像です)
・その他お問い合わせは、越路支所地域振興課教育支援係(0258-92-5910)まで。