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たかの卵【異類婿】越後の昔話集

たかの卵(越後の昔話)mukasi

たかの卵【異類婿】

―高橋ハナ昔話集―より | おもしろい新潟県の昔話

 
たかの卵

 あったてんがの。あるどこへじさとばさと娘があったと。あるどき、ヘンビ(ヘビ)がカエルくわえていたてんがの。じさが気の毒に思うて、
「ヘンビ、ヘンビ、そのカエル放してやれや、おらに、娘が一人いるが、おまえを婿にもらうが」
そうようたら、カエルを放したてんがの。カエルは、ビクラシャクラびっこを引き引き、喜んで逃げていったてんがの。
 あるどき、じさがどっかにいった帰りに、道端に若いいい男が立っていたてんがの。
「じさ、じさ、おめえ、おらこと、婿にしると約束したが、婿にしてくらっしゃい」
とようたと。じさは
「おめえのようないい男、おらうちは、貧乏だすけ、とても婿にしらんねえ」
とようと、男は、
「貧乏でもいいすけ、おら婿にしてくらっしゃい」
そうようて、じさについていったてんがの。うちへ行ってばさと娘にようたと。
「この男がおらのうちへ婿に来てくれるがら」
いい男だんだんが、ばさも娘も喜んで
「なじょうも婿になってくれ」
とようて、そこのうちの婿になったてんがの。ほうしているうちに、娘が段々顔色が悪くなって、からだも悪くなって、病気になってしもうたてんがの。医者にかかっても治らない。ある時、足のびっこの占いがきて
「これはタカの卵を取ってきて飲ませれば治る。その卵は、婿から取ってもらわねば治らん」
とようたてんがの。ほうしるんだんが、じさとばさは、婿に頼んだてんがの。
「あんにゃ、あんにゃ、娘はタカの卵飲めば治るてが、おめえ、それとって来てくれや」
婿は、
「あい、おらが木に登ってとってくるども、それを決して見てくれるな」
そうようて、婿は山の方にズンズン入っていって卵とりにいったてんがの。じさはその後からこっそり付いていったてんがの。婿は山のでっこい木のどこにいったれば、でっこいヘンビになって、木に登っていくてがの。
じさは
「おっこ、ヘンビになったでや」
とたまげているうちに、木のてんじょに上がって、タカの巣に近付いて、卵を取ろうとしたてんがの。タカが怒(おこ)って尖(とが)ったくちばしで、ヘンビをつっついたれば、ヘンビは、血だら真っ赤になって、ズドンと木からおって、死んでしもうたと。ほうして、娘の病気は、だんだんよくなって、もとどおりになったと。いきがさけた。


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・その他お問い合わせは、越路支所地域振興課教育支援係(0258-92-5910)まで。