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歌うカメ【兄弟話】越後の昔話集

歌うカメ(越後の昔話)mukasi

歌うカメ【兄弟話】

―高橋ハナ昔話集―より | おもしろい新潟県の昔話

 
歌うカメ

 あったてんがの。あるどこにあにとおじがいたと。親父が死んだら、あにが家の金や道具をいんな持って家を出てしもうたと。おじは、母親と二人で暮らしていたと。山へ行って枯れ木をおってそれを町へいって売っていたと。
 町へ行っての帰りに、帰ろうとしたら、足元にちんこいカメがいたと。カメが
「おまえさんは毎日良く働いて母親を大事にしているが、おれは歌を歌われるすけ、町の人通りのいっぺえのどこへ連れていって歌わせれ、おまえさんに金もうけさせてやる」
ようがだと。ほうしておじはカメを人通りの多いどこへ連れていって手のひらに載せて歌わせたと。馬鹿いい声でいろいろと歌うと、人が黒山のように寄ってきて銭をくれたと。その金で母親にうめえもん買うて食わせたと。家も建ててらくらく暮らせるようになったと。歌うカメ
 あにがこの話を聞いておじのろこへきて、
「歌を歌うカメをおれに貸してくれ」
とようて、おじが返事をしないうちに持っていってしもたと。あにが町にいって、歌わせようとしても歌わんと。あには怒ってカメを殺してしもうたと。あにがカメを返さねだんが、おじが見にいったら、カメは死んでいたと。その死にがらをべとを掘って木の下に埋めたと。
その上に木を一本植えたと。翌朝になったら、天上からピカピカ金色に光る物がぞろぞろと降りてくると。良く見たら、ちんこいカメが列を作って降りてくる。そのカメを手のひらに載せてやろうとしたら、金の玉を置いていくと。また天上に上がっていったと。次から次から来るカメ来るカメいんな金の玉を置いていったと。それでしんしょうが良くなったと。
 その話を聞いてあにが、その木から枝を一本折って家に持って行き、庭に植えたと。その木が一晩ででっこい木になって、見ていたら、天上からぞろぞろとカメが降りてくるてんがの。そばであにが見ていたら、なんにも持って来ねえで、あにの手の届かないとこで向きを変えて帰ってしもうたと。あにが怒ってこのカメをみんな殺してくれるとようて、木に上がっていったら、木の枝が折れて大けがしたと。いきがさけた。


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