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あわてもの【愚か者話】越後の昔話集

あわてもの(越後の昔話)mukasi

あわてもの【愚か者話】

―高橋ハナ昔話集―より | おもしろい新潟県の昔話

 
あわてもの

 あったてんがの。あるどこへあわてもんの男があったてんがの。明日は弥彦参りに行くとて、前の晩寝る時、明日の分の顔洗って、弁当を枕元に置いて寝たてんがの。朝起きて、かかが、用意しておいた朝飯のつもりで、あわてて着物に付けるのり食ったてんがの。枕を弁当と間違ってふろしきに包んで背中にぶったてんがの。脚半(きゃはん)履くとて、一つの脚半をかたっぽの足に履かせ、もう一つの脚半をはしごの脚に履かせて、家をとびだしたてが、ゴンゴンといって、だれかにぶつかったんだんが、「いや、どうも申し訳ない」
とようて、謝ってみれば、道端の地蔵様だったてんがの。
 弥彦参りをして、腹もすいたし、昼飯食おうと思って、ふろしき開けてみたれば、枕が入っていたてんが
の。もち食おうと思って、道端のもち屋へ入って、
「もち一つ幾らだ」
と聞くと、もち屋が
「どれでもひとつ三文だ」
とようたんだんが、店先きのでっこいもち三文出して買い、がぶりとかぶりついたら、木で作った看板もちだったてんがの。男はごうをにやして家へきて、かかをどなりつけて、
「なあでもあるまい。弁当だなんてようて、枕を入れておいて。この馬鹿めが」
とようたら、かかが
「おめさん、何ようているがら。おらには、ちっともわからん。何怒っているやら」
とようんだんが、良く見たら、隣の家のかかだてんがの。あんまりあわてて、隣の家をてめえの家だと思って入っていつたてがんだと。こんだたまげて、てめえの家にきて
「おら申し訳なかった。おらのかかだと思って、おめえさんを怒鳴りつけたりして、どうか勘弁してくらっしゃい」
とようて、謝ったてんがの。いきがさけた。


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