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知恵試し【知恵者話】越後の昔話集

知恵試し(越後の昔話)mukasi

知恵試し【知恵者話】

―高橋ハナ昔話集―より | おもしろい新潟県の昔話

 
知恵試し

 ある国へ殿様があって、隣の国の殿様から知恵試しの使いがきたてんがの。一本の棒を出して
「どっちが根でどっちがうらだ」
というたてんがの。その棒は太さが同じで、殿様も家来も、どっちが根だかうらだかわからねで、困ってしもたてんがね。
ほうしたら、一人の知恵がある男が
「おれにその棒を貸してくれ」
とようて棒を取ったてんがね。ほうして棒の真ん中をしばって、天井に吊したとこてんが、端が下がったと。男は、
「下がった方が根だ」
とようたと。
「どうして」
と聞くと、
「根の方が、水を含むすけ重いもんだ」
とようたと。使いの人はたまげて
「じゃもう一つ出す」
とようて、馬二頭引っ張ってきたてんがね。どっちの馬も毛色も同じで、大きさもおんなじだてんがの。 「さあ、この馬のどっちが母馬で、どっちが子馬だか当ててみろ」
とようたと。また、殿様も家来も、
「こらまた面倒だ。困ったねか」
とようていらしたてんがね。またさっきの知恵ある男がニンジン持ってきて、馬の真ん中へ出しておいてくれたてんがね。ほうしたら、一頭がすぐそのニンジン食ったうも、もう一頭は、なんにも食わずにちゃんとしていたてんがね。男は
「ニンジン食った方が子馬で、食わない方が母馬だ」
とようたと。
「どうしてだ」
と聞くと、
「親とようものは、うまいのがあると自分で食わんで、子に食わせるもんだ」
とようて、みんなを感心させたと。
 しまいに、もう一つとようて、使いがチョークで床に線を一本書いた。そうして、
「この線を手をかけずに短くしてくれ」
とようたと。ほうすると、知恵ある男が、初めの線のそばにもっと長い線を引いた。ほうして
「ほら、さっきの線より短くなったろう」
とようと、隣の国の使いは、ものもよわんで、馬に乗って逃げていってしもうたてんがの。殿様は喜んで、知恵ある男をいいくらいにつけたと。いきがさけた。


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