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おはぎと座頭【知恵者話】越後の昔話集

おはぎと座頭(越後の昔話)mukasi

おはぎと座頭【知恵者話】

―高橋ハナ昔話集―より | おもしろい新潟県の昔話

 
おはぎと座頭

 あったてんがの。あるとこにあにとあねがいたてんがの。十三夜の晩方(ばんがた)
「こんにゃおはぎをしておこうや」
とようているとこへ、座頭(ざとう)が
「今夜一晩泊めてくらっしゃい」
とようてきた。あねは
「今夜はおはぎを食おうてがんに、座頭泊めれば、座頭にも食わせんばならん。困ったねか」
とようたれば、あにが
「いや、座頭は、めくらだすけ、おはぎをつくっても知らんでいるすけ、泊めてやれや。いいこてや」
とようたら、あねが
「いや、座頭は利口だすけ、おはぎを作ったのが直ぐわかる。どうせばいいかな」
とようたと。またあねが
「おまえの足に綱つけておいておはぎができたら、おれがガツガツ引っ張るすけ、ほうしたら起きてくらっしゃい」
とようと、あには
「おう、おう」
とようたと。その話を座頭が聞いていたてんがの。
「こらあ、いいこと聞いた」
と。ようさる、あにが寝ると、座頭はそっと起きてあにの寝間へ行って、あにの足の綱を解いて、自分の足にいつけておいた。あねはおはぎをこしろうて、座頭が起きると悪いんだんが、部屋を暗くしておいて、綱をキツキツと引っ張ったれば、座頭が起きていって、おはぎをさんざん食うてから、ちんこい声で
「かかや、この余ったおはぎをどこへ置くや」
と聞いたと。あねは
「おっこ、戸棚の中へ置くこて」
とようた。ちっとめると、座頭は、起きて、戸棚の中のおはぎを、いんな自分の包みの中に入れて、こっそり包んで知らん顔していた。暗いうちに座頭は起きて
「今日おらは、遠いどこへいかんばならんすけ、これから出かけて行く」
とようたと。あねは
「おまえこんげに早いてがんにいぐらかや」
とようたと。座頭は
「何だって遠いとこへ行くがらすけ、これからいくんし」
とようたと。あねは
「おまえどこの生まれだ」
と聞くと、座頭は
「おれはみののかいもち、つつみのこうり」
そうようて、座頭はグングンと行ってしもうたと。
 明るくなってあにが起きて来て、
「んな、ようべなおはぎしなかったかや」
とようたと。あねは
「おっこ、おまえ何ようていらる。ようべ起きて来て食ったねか」
とようと、あには
「おら何食おうば、おら何も知らなかったがんに」
とようたと。あねは
「おれがおまえの足の綱引っ張ったら、あんげに起きてきて食ったが」
とようと、あには
「何おれが食おうばや。ちっとも起きなかったがんに」
あねが
「ほうせば、座頭が起きて食ったろうかな」
とようたと。あにが
「まだ、おはぎはあるか」
と聞くと、あねは
「まだいっぺえある」
とようたと。あには
「だけや、ここに持ってきてくれ」
と頼んだと。あねが取りにいったれば、何にもねえ、座頭がいんな持っていったてんがの。あねは 「どおりで座頭に『おまえはどこだ』と聞いたら『みののかいもち、つつみのこうりだ』とようた」 とようて
「いやはや、座頭におうておおめにおうた」
とようたと。いきがきれた。


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