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ネズミの彫り物【知恵者話】越後の昔話集

ネズミの彫り物(越後の昔話)mukasi

ネズミの彫り物【知恵者話】

―高橋ハナ昔話集―より | おもしろい新潟県の昔話

 
ネズミの彫り物

 あったてんがの。吉さんとよう彫(ほり)上手な男があったてんがの。ある日、友達がきて、
「吉さん、吉さん、おまえがいくら彫り物が上手でも、左甚五郎にはなるまいの。おれのどこに、左甚五郎の彫ったネズミがあるが、良くできていて本物のようだ。
おまえに見せようか」
とようたてんがの。ほうしたら吉さんが
「いや、それはにせものだろう。おれんどこに本物がある。ほうせば、どっちが本物だか、くらべてみよう。あしたおらどこへ持ってきてみれや」
ようたてんがの。吉さんは
「あんげのことようて、おおごとした。おら左甚五郎の本物のネズミなんか持っていない。どうしょう」
と考えて、押し入れからかつお節をだして、一晩かかってネズミを彫ったてんがの。それを翌朝、桐箱にいれて友達のどこへ持って行ったてんがの。二人して桐箱からネズミを出したら、友達のネズミの方が良くできている。吉さんのネズミの方が出来が悪くてとてもくらべものにならないてんがの。友達が
「おめえのネズミはカエルのようだ。しかも化けガエルのようだねえか」
とようて、いばっていたてんがの。そこへ猫がニャオンと鳴きながら入ってきたてんがの。ネズミの彫り物二つ並んでいるんだんが、そこへとんでいって、じっとにらんでいたけや、かつお節のネズミをくわえて逃げていったてがの。吉さんは得意になって、
「そら見れ、猫がくわえていくくらいだから、おれのほうが本物だ」
とようたてんがの。いきがさけた。


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