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十二支のはじまり【動物の由来】越後の昔話集

十二支のはじまり(越後の昔話)mukasi

十二支のはじまり【動物の由来】

―高橋ハナ昔話集―より | おもしろい新潟県の昔話

 
十二支のはじまり

 あったてんがの。ある時、神様が、
「こんだ、動物の中で十二匹を選んで、一年ずつ人間世界を守らせる。一月十二日におれのどこに早く来たもんから、順番に十二匹を選ぶ」
というお触れを出したと。動物は、その日には、おれが一番に駆けつけると待っていたと。だんだんその日が近づいて来たてんがの。猫は忘れん坊だんだんが、
「はてな。何時だったかな」
とその日を忘れてしもうたと。そうして、道にあったネズミに
「神様が動物を集めるには何時だったかな」
と聞いたと。ネズミはこすい(ずるい)んだんが、てめえで勝とうと思うて、
「そら、一月十三日ら」
とようて、聞かせたと。ネズミは、
「これで猫だけには勝たれるな」
と思って家に帰ってきたと。ネズミの家は、牛小屋の天井だんだんが、ようさる、寝ていると、下の牛がごそごそと支度をしているのが分かると。
「牛どん、牛どん、おめえはへえ、支度して出かけるがらか」
とネズミが聞くと、牛は、
「おれは足が遅いんだんが、今夜のうちに出かけないと、間に合わねえ」
とようたと。そうしたら、ネズミは牛の荷物の中に乗っていったと。牛は一晩中歩いて、やっと神様のどこに着いたと。牛は
「まだだれも来ていねえすけ、おれが一番だな」
と思うていたら、ちょこんとネズミがとんで出て、神様の前に行って、
「ネズミが一番だ」
とようたと。牛が
「おれの荷物の中でらくらく寝ていて一番になった」
と怒ったろも、どうしょうもなかったと。猫は十三日の朝、暗いうちに起きて出かけていったと。神様の門に入ろうとしたら、門番が
「おめえは、今ころ何しに来た」
ようたてんがの。猫が
「今日は動物を集めて選ばれる日だすけ、とんできた」
とようと、門番は
「そら、きんなだった。寝ぼけていねえで、顔洗うてこい」
とよわれて、がっかりしたと。そうして、ネズミが一番で、牛が二番、虎が三番だったと。猫はネズミにだまされたんだんが、ごうやいて、
「良くもだましたな。この恨みは晴らさんでおくものか」
と今でも、歯の牙(きば)を磨き、爪をみがいで、ネズミさえ見れば、ぼっかけて殺してしもうと。そうして、門番に「顔を洗うてこい」
とよわれたんだんが、今でも猫はつばきを付けて洗っているがらと。いきがさけた。


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・その他お問い合わせは、越路支所地域振興課教育支援係(0258-92-5910)まで。