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子どもの遊び解説 | へんなか

子どもの遊び解説hennaka

へんなか 「子どもの遊び解説」

子どもの遊び解説            子どもの遊び研究グループ

松田 薫・片桐 みさ・田中 美代子・福島 久子・中島 裕子

 手遊び
 主として女の子の遊び。二人がむかいあってすわり、歌にあわせて、掌を交互に出して、相手の掌にあわせたり、自分の手をたたいたりする遊び。遊びの道具はいらず、家の中のいろり端、学校の休み時間に運動場でやるなど、時間と場所を問わず、好きなところ、好きな時間にやれる。

 お手玉(なんご)
お手玉(なんご)  お手玉は、まずお手玉作りから始める。着物の切れ端を家の人に少しずつもらい、友達と交換したりして布をあつめる。どうしても足りない時には、いろいろな布を色どりよく縫いあわせる。中には、屑小豆を入れた。当時、どこの家でも、田の畔や斜面(ママとよぶ)に小豆を作っていた。小豆は、大豆と違って兎がたべない。その小豆くずを防虫のため、熱湯をかけて用いた。他に数珠玉、けんぽの実(クロウメモドキ科の果実)を用いた。けんぽの実は、噛むと甘い。
 このお手玉を巾着(きんちゃく)に入れて学校にもってゆき、休み時間に歌を歌いながら、数人ずつかたまって遊んだ。小学校三・四年が一番熱中して、冬板の間にすわってお手玉をやったり、とったりして遊んだ。

 まりつき
 まりつきにも、まず手作りのまりをつくることから始める。春先、ぜんまいの綿を集めて、丸く固く糸をまく。白い綿を少しだけ家の人にもらい、ぜんまいの球の上にかぶせて、糸をまきつけつつ、形を整えて、丸くしていった。まきつける糸は、しつけ糸のようなあまりよくない糸なので、切れることも多かった。だいたい形が球になると、色のついている糸で自分なりに模様をつけた。手づくりのため、同じ大きさ、同じ模様のまりは、二つとなかった。
まりつき  遊び方は、まりに糸をつけて、左手でその糸をもって、右手で歌いつつまりつきする方法や、糸をつけずに、右手だけで、歌いながら、足をあげたり、自分の体をくるりと一回転させたりする方法があった。学校の休み時間、家に帰って家の中で遊ぶことが多かった。大きい子がやっているのを、小さい子が自然に見たり、聞いたりしながら、だんだん覚えていった。お手玉の時と同じ歌もあるが、まりつきだけの歌もある。歌の内容は、戦争の景気づけが中心であるが、そんなことなど知らずに歌っていたようである。
 丸跳び
丸跳び  地面に、丸を一つ、また二つといったように並べて描き、そこを片足で跳んでゆく遊び。丸の描き方は、下図のほかにもう一種類ある。
 丸が二つ並んでいるところは、両足をついてよい。一往復してもどってくると、自分のもちものを次の丸の中に入れる。もちものは、針金を鎖状にしたものが多い。人のもちものが丸の中にはいったところは、踏むことが出来ない。踏んだり、丸の外へ出してしまうと次の人にかわる。

 いっちょうあそび
 おはじきの代わりにいちょうを掌に載せたり、軽く投げあげて、手の甲にのせたりして、手に載っているのを、自分のものにしてゆく遊び。ぶつけて、自分のものにしてゆく遊びもある。手の中に入れてにぎりしめて、人に数をあてさせる遊びもする。
 屋外で、穴いっちょうという遊びをやる。大きな木の根っこの穴にいちょうを投げ入れる遊びである。大きい子と小さい子は、距離に差をつけてやったりした。「オイコイコイ」については、別項参照。
 草木を使った遊び
 豆の手(大豆の葉柄)…収穫期になると黄色くなっておちるので、これを拾い集めて、いなご籠、升、塔、敷物の形に編んで遊ぶ。
 芝の穂…ざるをつくって遊ぶ。
 ねこじゃらかし(イノコログサ)…ねじり合わせる。「からすなぜ鳴くの」「ギンギラギラギラ夕日が沈む」「笹やぶこやぶ」の歌をうたいながらやる。
だんごの木(みずき)  おおばこ…葉柄を二つ折りにしてからませ二人でひっぱって、強さを競う、切れないように、かんだり、たたいたり、手でもんだりした。
 だんごの木(みずき)…枝を折って、クの字形になったところを、互いにひっかけて遊ぶ。クの字形が裂けると負けになる。
 つくし・スギナ(ボンボン草)…切ってつないだところをあてさせる。

 カッチ
カッチ  地区によっては「しねんご」「雪玉」とよぶ、雪の玉を固くまるめ、足でころがし、塩をまぜ凍らせるようにして、相手の雪玉にぶつけてこわれた玉が敗けとなる。雪玉を固くなる方法は秘密となっている。場所をとらず、気の合った仲間で心おきなく遊べる。

 しみわたり
 三月下旬から四月にかけて、雪が降り止み雨に変わる頃の遊び。晴れた朝は気温が下がり、雪が凍り、大人が歩いたり、走ったりしてももぐらないようになる。こんな朝、木のみかん箱に竹の足をはかせ、自家製のそりを作って傾斜になっている場所ですべった。又、冬期間の病気の人を乗せたり、運搬用のための大型そりを持ち出して二〜四人位で一緒に乗ってすべった。スピードが出て、スリルを味わえた。雪の上を自由自在に歩いたり、走ったりできる楽しさは、不自由な雪の生活から一変して解放的な気分にさせられた。影ふみ、かけっこ、川岸で「じじばば」「ねこやなぎ」などをとってきて、ままごと遊びをして楽しんだ。

 どっちん
ドッチン  雪の落とし穴を作って友達や通りかかった人を穴に落として、驚かせてスリルを味わう遊びである。冬期間は、自動車も通らなかったので、道路でこの遊びが平気で行なわれていた。細くて歩くだけの道幅がかんじきで踏まれた道路のまん中に、深く穴を掘って上部に雪をおおいかぶせた。穴を掘ったことがわからないように、いかに自然さが作り出せるかが問題である。それには、穴にコスキ(平らな木でやわらかい雪を掘る道具)をわたしておいて、その上に足跡のついた雪を上手に並べて穴をふさいでしまう。最後にコスキをそっと抜いてしまえば完成である。人数は問わず何人でも遊べるが、穴を掘るだけの積雪がないと十分に楽しめない。

 鬼のバンバ
鬼のバンバ(たったこせ) 地域によっては、「たったこせ」とも呼ばれていた。田んぼ、原っぱに雪が積もって、踏んでも水気がなくならなければ、存分に走り回れないので、30センチメートル位、積もらなければ遊べなかった。大きさは、自由だが、先ず、四角に踏んでから通路だけ残して対角線に作った自分の陣地をきれいに踏む。二カ所の出入口を作る。初め、じゃんけんで鬼を決め、鬼は中央にいて、一・二の三の号令で自分の陣地からとび出して他の三つの陣地を、入口を通って自由に入ることができる。他の人は、陣地にかたまり、鬼につかまえられないように逃げる。鬼の留守に鬼の陣地へゆき、長ぐつで雪をけずってかたまりを作って自分の陣地に運んでくる。もし、通路で鬼につかまったら交代する。これをくり返し遊び、自分の陣地に雪のかたまりをたくさん積み上げた方が勝ち。四人で遊ぶことが一番だが、二〜三人でも遊べる。

 雪合戦
 降雪量を問わず、いつでも、田んぼ、原っぱ、道路上など、ある一定の場所があれば、簡単に遊べる。  手で固くにぎって雪玉を作りぶつけ合う。何人でも遊べるが、人数が多くなれば、それだけ雪玉が飛んでくるので、ぶつからないように見張りながら、雪玉を作っては投げるという油断をしていられない遊びである。
 身体にぶつかっても、泣いたり、うらんだりしてはならない。いかに相手に雪玉をぶつけることができるかが、この遊びのおもしろさである。
 雪が多くなると、陣地を作って、雪玉が飛んできたらかくれられるようにして遊んだりもした。シャベルで雪を積み上げたり、新雪を長ぐつで固めた、ものを高く塀のようにして自分の陣地を作るのも楽しみの一つであった。

 雪穴(こもり穴)
 この地域では、こもり穴といって一月十四日、小正月になると近所の人、気の合った仲間と作ってその雪穴の中に入って一夜を過ごした。田んぼ、原っぱなど雪がたくさん集められる場所を選んで、四角に雪の壁を積み上げていき、雪穴の中に入っても立てるような高さになったら天井にハシゴを置いてシートや板などをかぶせて屋根を作る。床もしめらないように板を敷いたりしてから、いろりやこたつを作ってその中でもちを焼いて食べたり、トランプ、かるたとりなどをして楽しんだ。その雪穴のまわりをみんなでとり追いのうたをうたってにぎわした。
 稲穂を食べる雀などの鳥を追いはらい、豊年を祈願したものといわれている。

 おいおいこい
オイコイコイ  雪が降り、外で遊べない時、板の間で、車座になって遊ぶ、男の子の遊び。銀否の実、あるいは小石を七個集めてする遊び。まず七個の石を掌に載せ、投げ上げ、素早く掌を裏 がえして落下してくる石を手の甲に載せる。数個の石が手の甲に残ったのをそのまま投げ上げ、手を裏返して掌で受ける、この三っつの動作にはそれぞれ、「おい」「こーい」「こーい」という唄がついている。この動作のなかで手の甲に??も石が載らない時、掌で受けとる時一個でも受け損なえば生?し,次の人に順番がゆく。さて、次なる展開は、仮に????「こーい」「こい」をして、玉の甲に三個の石を受け止め、??三個をうまく掌に受けると、下には四個の小石があるはずである。次に手にある三個のうちから四個の小石も????こいこい」と唱え、上に投げ上げ、??????????ある石を一個拾い、間髪をいれずおちてくる????れを繰り返して失敗せず四個とも???????個の石を「場」に???????る。?個の石のうち??????
------------------------------------------上字不明
ーいふたつ」と唱えながら、二個の小石を素早く拾い、落ちて来た石を同じ手で受け止める。こうして失敗せずに二個ずつ拾い終ると、次は「えーみーいつ」と唱えて、また石を七個場に撤き、「おーいえみつ」と唱えながら、玉を上に投げ、三個拾って落ちて来る玉を受け止める。これも失敗せずに三個ずつ拾い終わると次は「えーよーつ」である。同じく場に石をばら撤き、四個と、二個に分け、同様に「おーいえよつ」と唱えながら石を投げ上げ、拾い受け取る。次は、「いーつーつ」である。五個と一個を同じやり方でする。ここまで進むと「玉をくれー」になる。これは場にガラリと石を撤いて、相手の注文を聞く。相手はなるべくやりにくいよう考えて、七個の石のうちから一個を取り、「これで、三っつ」と言うように指定する。指定されたらその通りに「おーい、玉をくれ」と唄えながらする。この時、「指定された玉以外の石にさわってはならない」というルールがつけられることもある。これを無事通過すると次は「おーりんご」となる。これは最後の投げ業で、七個の石を場に広げ、適当な石を玉として「おーい、おーりんご」と唱えながら玉を投げあげ、場にある六個の石を全部拾って、落ちて来る玉を同じ手で受け止める。次に左手の中に七個の石を入れて上下に浮かせながら、右手は交互に裏返し、唄をうたう。おかわしわんよ、すっぱりごしょばかのしてくれ、かわししょうがな、さいよーホーエ。次に「はーたき」と唄えながら七個の石全部僅かに投げ浮かせて「ポン」と手を叩き、素早く両手で七個の石を受け止める。最後に、最初の時のようにほうり上げ、手の甲に受け、掌で受ける。この時、四個掌に残ったら「四丁貸した」となる。この時失敗しなければ第二ラウンド、また、「おーいこーいこい」と始めてゆくのである。

 とってもかん(地獄回り)
 この遊びは男の子の遊びであり、二人以上集まれば何人でもできる。晴れた日に外でやる遊びである。  むかしは、アスファルト道路などなかったので、棒などで地面に正方形を描き、ビール瓶の蓋や平(ひら)たい小石を玉として、代わり代わり指で弾きながら周りをまわって、多く点をとった方が勝ちというものである。
とってもかん(地獄廻り)  地面に一辺が一メートルから、一・三メートル位の正方形を描く。そしてまた、その内側へ十五センチ位はいった所に、もう一つ正方形を描き、外側の正方形と、内側の正方形との間の四つ角に、また正方形を描く。その四つ角の一角を出発点と定め、内側の正方形の中に、出発点を中心とした半円をいくつか描き、点数を描き込む。点数は、出発点に近い方が低く、遠くに行くにしたがって高くなるようにする。地獄に玉が入れば○点である。そのつけ方は自由であり、一・二・三点の順でもよいし、五・十・十五点のようにつけてもよい。この正方形が遊びの場となる。
 まず初めにじゃんけんをし、勝った人から順に始める。初めの人は、出発点に玉を置き次の角に向かって線から出ないように、指で玉を弾く。運よく次の角まで一回で玉が飛び、角の正方形の中にはいれば、そのまますぐ次へ進まれるが、途中で止まったら交替し、次の人の順番となる。
 もし、出発点から弾いた玉が途中で止まったら、次に番がまわって来た時は、その止まった場所から続ける。そしてまた運よく次の角へはいれば、すぐ次へ進む。このようにして早く一周し、出発点にもどった方がよい。もどった人から点数の書いてある方向に向かって、玉を弾き、止まった場所の点数が得点となる。この動作を何回か繰り返し、多く点をとつた人が勝ちとなる。
 角へ向かって玉を弾くのであるが、よく方向を見定めてやっているつもりでも、強く弾けば、線の外へ飛び出してしまい、その弾き具合は、なかなか面倒である。
 遊ぶ人数は何人でもよいが、四〜五人位が適当でないだろうか。男の子の遊びということではあるが、女の子でも充分できそうである。晴れた日は、よく外で集まって、この遊びをしたものである。十六並べ(牛追い)

 十六並べ(牛追い)
 二人で遊ぶ。一人が牛となり、一人が馬となる。
 じゃんけんをして勝った人から石を動かす。
 線の上を動き牛は馬を攻め、馬は牛を囲みながら動けないようにする。牛は馬の石の間に割り込んで両はじの石を取り囲まれないようにして遊ぶ。

くにとり(陣とり)  くにとり(陣とり)
 何人でも遊べるが四人で遊ぶ。
 じゃんけんで勝ったら、自分の陣地から(黒い点)手のひらをひろげて陣地を広げていく。
 陣地より一番広く国をとった人が勝ち。

 石けり
 五・六人のグループで、五メートルほど離れたところに、二本の線をひき、線上に自分の気に入った篇平な石を並べておく。相手のチームが、その石に向かっていろいろな身体の部分に自分の石をのせて運んできて、相手の石にあてる。はじめは、投げて当てる。以下頭の上にのせる、胸にのせる、肩にのせる、ワキの下に入れて運ぶ。股にはさんでうさぎとびする。膝にはさんで運ぶ、腰にのせて後ろ歩きで相手の足に近づいて、石にむかっておとして当てるなどのやり方で相手の石のところまで石を運んで当てる。膝にはさむときや、股ではうさぎ跳び、胸は石のおちないよう後ろに反らす。頭上では、相手の石の真上に、おちるよう移動する。

 

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