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特集:八石山 八石山はわれらが庭 3 | へんなか

座談会 八石山はわれらが庭 3hennaka

へんなか 座談会 「八石山はわれらが庭 3」

八石山はわれらが庭 3


  石油井戸
中村(由) あの急なところへ、石油井戸を掘りましたこてね。八王子に電気がはいったのは、大正十四年だといいますからね。それ以前は、草生津(くそうづ)という原油を、よし(葦)の穂につけて採取して、明かりにしていました。子供のころ、電気が明るくて、うれしかったのをおぼえています。石油井戸は、いま、七本くらい残っていますね。
高橋 それは、どのくらい深いのですか。
中村(由) 相当深いですね。
飯田(弘) 昭和十四年、高等科二年の飯田乾一がしみわたりにきて、穴へ落ちたのです。途中につかえていたのを先生が、ロープにしばってひきあげたことがありました。今生きていたら、七十才くらいになりますか、戦死してしまいましたがね。あの穴が最後に掘った穴といわれています。
中村(由) てんじゅくのじさが若い時掘った穴がその時の穴だそうですよ。当時、二十いくつ掘ったそうですが、危険なので埋めて、今七本が埋め残されて残っているのです。そのうち空気の吸い出し口のきいているのが二本あるんです。その二本は上からみても、真っ暗くて、全然深さがわからないのです。まわりが欠けて、危険なので、ロープ張ってもらったんです。あとの五本は、なみなみ水がたまっています。二つほど松の枝を枠に組んである。乾一さんのおちたのも、枝が枠につかえていて、そこにつかえて助かったのです。去年いってみたが、水のたまっていない穴は、まわりが崩れて、無気味なものでした。
高橋 その井戸は、丸く掘るのですか。
中村(由) いや、四角に掘ります。一メートル四方くらいですね。
山崎 いつだれがほったんですか。
中村(由) それがわからないのです。
飯田(弘) 明治の初めのころ掘ったといわれていますね。
山崎 井戸は、成功しなかったんですか。
飯田(秀) 草生津を明りに使ったんですね。売り出すのでなくて、自家用です。それですから、量も少ないですこてね。
中村(由) あの穴は、夫婦でないと掘れないといわれています。おっかあが上で、杉の葉をあおいで、空気をおくる、親爺は、穴の底で掘るというわけです。上から空気がおくれないと死んでしまうといわれています。

  八石山を越える道
永見 八石という山は、城に関係がないんですか。
山崎 桝形という地名がありますが、その桝形は城郭用語ですからね。実際の八石城は、あっちの石川の方から登ってゆく。この頂上も桝形という地名が残っている以上、城だったということになるんですがね。あれは、見張りののろし台というのでしょうね。
飯田(秀) 昔は、桝形まで道がなくて、行かなかったのですね。今は整備されましたが。
中村(由) 高等科になって、先生につれられて、初めて御岳から八石城へのぼったおぼえがあります。
山崎 久之木へ出る道は、どんどん使ったんでしょうかね。
飯田(秀) 昔、あれは、町道なんですて。部落から部落へ抜けるんで、昔は、みんなで管理したんです。二十年前までは、部落が金を出していたんです。
中村(哲) あの峠が、戦後闇米運搬のルートだったんですよ。こちらのほとんどが加納(柏崎市)の清瀧(しょうらい)寺の檀家でしたから、寺へゆく近道なんですよ。米山へのぼるにも、小国の人は、あの道が一番近かったですね。
中村(由) 柏崎へは、昔、久之木新道といって、一番近かったんでしょう。桝形へ上って見るとよくわかりますて。
飯田(秀) 山崎先生が見たというみねっぱりの木は、榎というんですね。部落の境界に榎を植えたんですね。久之木峠を越えると、この木はみねっぱりでなく、榎ですね。
中村(哲) 昔は、他から災難がはいってこないように、境界に榎を植えたんですね。石川峠のところにも植えてありますね。山野田の榎峠もそうですね。
 石川峠ですが、過去に何回か改修がありまして、一番古い峠に、山のつんね(尾根)をあがったんです。よこへりてかけいしふっきりを通って杉林に降りたわけです。
 第二回の改修が、この前の道だったわけです。その後、昭和二十六年に第三回の改修工事をはじめて、三十二年に完成して、開道の碑ができたわけです。これが今の車の通る道です。
 第二回の改修は、花立のところへ石碑がありますが、当時の改修は、村だけでできず、そこを通る小国の村々に助成をお願いしてあります。その碑に助成の額が残されております。百五十疋(一疋は百文のこと)が、小栗山村、新町村、百疋が金沢村、猿橋村、相野原村、上岩田村、小国沢村、七十五疋が、太郎丸村、楢沢村、五十疋が、苔野島村、原村、森光村、諏訪井村、野田村、法坂村、上谷内村、桐沢村となっております。今の車道になる前の道の改修です。明治二十一年上小国村ができ、楢沢村、太郎丸村等は合併されてしまうわけですから、この改修は、それ以前ということになります。

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