本文へスキップ

十五夜 | 悠久録(長岡新聞コラム)

悠久録column

十五夜

 十五夜は旧暦8月15日で「仲秋の名月」と呼ばれている。旧暦の8月15日であるからいつもこの日が満月というわけではない。今年は10月5日が満月である。
 昔の人はこの月の満ち欠けから暦を作った。満月は月と太陽が反対方向にあれば、輝いている面は地球側を向くので、丸い月、つまり満月(望)となる。月と太陽が直行する方向にあれば輝く面は半分しか見えないので、上弦・下弦の月となる。月の異名は、「居待月」「寝待月」「後の月」など、いろいろとその満ち欠けの具合で呼び名が変わる。
 月に兎が棲むという風説は広く知られている。良寛さまの長歌『月の兎』はとりわけ著名である。昔々、猿と狐と兎が住んでいた。この三匹の獣(けだもの)は、とても親切で、本当に仲良く暮らしていた。そのことを聞いた天の神様が、哀れな姿になって、何か食べ物を恵んでほしいと頼む。
 猿は木の実を、狐は大きな魚を取って神様に食べさせた。ところが莵は何も差し上げるものがないので、この体を食べてくださいと自ら火の中に飛び込んで神様に差し上げた。それで月に上って、そこに棲んだという話である。
 十五夜は里芋等を供える事が多い為に「芋名月」と呼ばれている。この日は、名月観賞と収穫感謝という性格を持つ。皿の上に団子・葉付き大根・ハタ芋・枝豆などを月が見える縁側などに供える。十日町市などでは「十五夜盗人」といって、子ども達が村を回り、このお供え物を盗む。それでも罪にならないといわれていた。
 夜の空に輝く月を眺めるのはいかが。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

十五夜 >