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浜松に木喰展を見る | 悠久録(長岡新聞コラム)

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浜松に木喰展を見る

 静岡県の浜松市で開かれている「遠江の木喰展」(12月4日まで)を見に出かけた。日比野秀雄氏の講演「木喰上人の信仰と美術」と題する講演も聞いた。今回浜松市立博物館の展示品はよそからの賛助出品も併せて五十五点に上っている。中には柏崎にもある十王堂の木喰仏二つ群像が出品されていた。静岡にもたくさんの木喰仏が残っている。
 木喰上人は江戸時代十八世紀に甲斐の国に生まれて、全国を旅した遊行僧。六十歳を過ぎてから各地の求めに応じて仏像を彫り、一千体を目指した。文化七年九十三歳で没するまで北は北海道から南は九州まで旅して造仏活動を続けた。その仏像は庶民の仏像作家として同じころの円空と並ぶ。
 木喰仏が最も多く残っているのが長岡・柏崎・小千谷である。新潟県の木喰仏は全国の木喰仏の四割が残っているといわれる。しかも関原白鳥「寶生寺」、上前島「金毘羅堂」のように群像として残っている。新潟県は「木喰仏」のメッカである。
 長岡に全国木喰研究会がある。この会は平成四年新潟県木喰研究会として発足した。その発起人は前長岡中央図書館長大久保憲次氏、広井忠男氏などが関係しての発足だった。会は平成十四年その名前を全国木喰研究会とした。
 そのころ山梨でも木喰会(もくじきえ)と類似した会があった。会では毎年機関誌「微笑佛」を発行している。九州から北海道まで全国に足を延ばし、仏像を彫り続けたこの人物の研究・交流機関としてこの会の存在は大きい。今後とも会員を増やして木喰仏への関心を広めてほしいものである。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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