6月4日全国良寛会長岡大会の記念講演がアオーレ長岡であった。妻と二人で聞きに行った。講師は京都龍寶寺住職中野東禅師で、演題は「良寛さんの心に学ぶ」であった。
会場アリーナの300席は参加者でぎっしり埋まってしまった。この日は、ちょうど今月16日妻の友達が東京から和島の良寛の里を訪ねるというので、その下見を終えた日であった。長岡近辺の良寛ゆかりの遺跡・記念館は多数ある。出雲崎・和島・寺泊・与板といろいろな場所を二人で回った後の講演であった。
講演を聞いた後47歳の息子に良寛はどういうところで有名なのかと質問された。さて、良寛を一言で表現するとどういう人になるかとはたと困ってしまった。子供と遊んだり、漢詩や和歌をたくさん書いたので偉いのか。講演の中で印象に残ったのは、小学生の子が夏休みの宿題に朝顔の観察日記を書くように自分の心の観察を詩や歌に書き残したということだった。このエピソードは講師が人の話を紹介したのだったが、これには感動した。良寛74歳の生涯はおのが心を言葉に残すことで見つめ続けた生涯だったのではなかろうか。
諸国行脚の後、故郷に帰ってきたが、出雲崎の家を通り越して国上五合庵に移り住み、そして木村家という他人の家で最期を迎えた。
腹を壊して厠へ行けず着物を汚す。糞にまみれたおのれの哀れな姿、それさえも歌に残している。心を言葉に残してこそ人の心を打つ。どん底を見つめ直すことで自分の生涯を全うしようとした。これが良寛だった。(ひこぜん)
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