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越後一席の会落語 | 悠久録(長岡新聞コラム)

悠久録column

越後一席の会落語

 この地でなかなか生の落語を聞ける機会は少ないが、「越後一席の会」の児玉隆さんに声を掛けられて妻と二人で出かけた。
 県立近代美術館講堂で「越後一席の会」第21回落語会が開かれた。この会は「春待ち寄席」と「月見寄席」の年2回公演で、今年で十一年目になるという。190名の客席がほぼ満席になった。
 この会は瀧川鯉橋と三笑亭夢丸と二人のコンビで続いている。鯉橋は上越市、夢丸は新発田市いずれも新潟県出身の落語家である。この会のきっかけは元高専の教授で現在静岡浜松市に住む加藤正直氏が鯉橋の師匠鯉昇と知り合いがあって、鯉橋が夢丸を誘ったことが最初という。
 落語界は「前座」から「二つ目」そして「真打」と階級があって鯉橋は平成24年、夢丸は平成27年に真打に昇進した。
 夢丸の最初の演目は「お菊の皿」。皿をなくしたお菊の怨念が幽霊となり、残り皿を数えに出てくると聞く。皆が見に行こうとすると、9枚まで聞くと死ぬと言われ、6枚で帰れと教えられる。その晩もお菊が現れ6枚まで数えたときに皆が帰ろうとするが、木戸が狭くて出られない。お菊はどんどん数を重ね、とうとう18枚まで数える。お客が怒って「お前は皿が9枚しかなくて手討ちにあったのに、なぜ18枚までかぞえるんだ」というと、お菊「今日は2日分演って明日は休むんだよ」が落ち。座布団の上で幽霊のゼスチアー、声の変化。蕎麦を食べる口の動きなど、落語家は一本の扇子が箸に変わり、掌がお椀に変わる。あっという間に2時間が過ぎてしまった(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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