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巫女爺操り人形 | 悠久録(長岡新聞コラム)

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巫女爺操り人形

 県立歴史博物館で伝統芸能上演会「巫女爺人形操りと瞽女唄」の催しがあった。150名入る会場は満席で盛況に驚いた。舞台左手に小千谷横町の巫女爺屋台が据えられてあった。
 人形操りは人形を後ろからさしいれた手や糸で生きた人のように自由に動かす。小千谷市を中心に「巫女爺」とよぶ男女二体の操り人形が祭りなどで演じられる。小千谷市横町(現平成町)、千谷、三仏生、片貝。長岡市の飯塚、深沢、親沢、岩田、不動沢、太郎丸、十楽寺、水梨12か所にこの操り人形が残り、新潟県の無形文化財に指定されている。
 今回歴博での上演は、小千谷市横町屋台人形保存会と長岡市小国町太郎丸巫女爺保存会の二団体だった。太郎丸巫女爺は男女二体の人形を操り手がそれぞれ二人後ろから手を差し入れ、歌に合わせて踊らせる。保存地区で、二体の人形を同時に踊らせるのは太郎丸だけである。
 不思議な事に飯塚・親沢・深沢では巫女爺と呼びながら人形は爺さ一体しかない。横町の巫女爺は二階建て屋台の上で踊らせる。巫女は立ち人形、操り手は一階にいて紐を操作して手や胴体を動かす。爺は二階の爺の後にいて、二人で動かす。
 小千谷市近辺でこうした操り人形が伝わったのは、麻織物小千谷縮の産地で、遠く京都や名古屋方面との交流で小千谷に伝わってきたのであろう。小国町太郎丸の巫女爺は4月半ばの土日、新浮海(しぶみ)神社の春祭りに演じられるが、爺の首に元治元年(1864)の年号が刻まれている。このころ小千谷から伝えられたものという。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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