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堀口大學展をみる | 悠久録(長岡新聞コラム)

悠久録column

堀口大學展をみる

 県立近代美術館での「堀口大學展」が終わった。長岡中央図書館でも開館百周年を記念した「詩人堀口大學と長岡展」があり、終わっている。期せずして長岡で2つの堀口大學展が開催され、終わった。
 それにしても美術館でなぜ「堀口大學」か、と思いつつ足を運んだが、展覧会をみて納得した。大学は文学のみならず、本の装丁、デッサン、そして焼きものにも並々ならぬこだわりを持っていた詩人だったのだ。
 堀口大學には特別の思い入れがある。筆者の母校長岡高校の出身者である。「翳すゆかりの三つ葉柏」の第2校歌を作詞した。筆者が高校2年の5月に、母校へきて講演された。昭和32年の年だった。大學の年譜をみるとこの時65歳だった。全校生が大學のために第2校歌を歌うと感激して涙を流していたことが思い出される。
 後に某社発刊の『人物群像シリーズ・文」で堀口大學の項を担当することになったとき、その取材を兼ねて堀口の最期の土地葉山を訪ねた。娘のすみれ子さんに会うことができた。その際葉山の森戸神社境内に建つ大學の記念碑を感慨深く眺めた。碑には「花はいろ 人はこころ」とあった。
 大學は人とのつながりを非常に大事にしていたことを感じる。与謝野鉄幹・晶子夫妻の影響はもちろん、フランスの詩人ジャン・コクトー、ローランサンなどの外国の詩人との友情を深めている。日本では佐藤春夫、永井荷風、大佛次郎、三好達治、室生犀星といった詩人である。版画家では長谷川潔といった人々との友情を大切にして89歳の生涯を終えた。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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