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扇辰の落語を聞く | 悠久録(長岡新聞コラム)

悠久録column

扇辰の落語を聞く

 瞽女山本ゴイの菩提寺寺として知られる草生津町の唯敬寺で扇辰の落語を聞いた。毎年新年恒例の行事となり、今年で21回目ということであった。過去にも何度か落語会に寄せていただいた。当日はお寺の本堂に30人ほどの観客が集まった。
 入船亭扇辰は1964年長岡市出身の落語家で、長岡市出身。長岡市立阪之上小学校、長岡市立東中学校、新潟県立長岡高等学校卒業、國學院大學文学部漢文学科 (現・中国文学科) 中退の経歴を持つ。
 落語界には前座・二つ目・真打の階級があり、扇辰は2002年に真打ちに昇進した。相撲界では横綱はともかく、大関・関脇に昇進しても負けが込むと下の階級に落とされるが、落語会は一度真打ちに昇進するといくら下手でも二つ目に落とされることはないといって観客の笑いを誘っていた。
 当日の出し物は二つ。「夢の酒」では奥の部屋で昼寝をしていた商家の若旦那。何だか楽しそうな夢を見ている様子なので、目覚めてから嫁のお花が若旦那にどんな夢を見ていたのかたずねる。若旦那が言うには、夢の中で美人のご新造と酒を飲んだ後、何やら淫らがましいことをしでかしたとのこと。その話を聞いて泣き出したお花。驚いた大旦那がやってきて訳を聞くと、全ては自分の息子の見た夢の話と知り、そんなことでいちいち泣くんじゃないと嫁を叱りつけるが、結局は反対にお花に言い含められて大旦那も昼寝をして夢を見、この美人に会って若旦那と同じように酒を飲む話。会場で頂いた色紙に「初夢を語る茶柱立つ朝」と書かれてあった。めでたい句である。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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