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住民フリガナ | 悠久録(長岡新聞コラム)

悠久録column

住民フリガナ

 「米山」という姓を書いた字なら「ヨネヤマ」とフリガナをつけるだろう。ところが小国では「コメヤマ」と読むのである。同じように「五十嵐」が「イガラシ」か「イカラシ」か読み方が違う。民俗学者の「柳田国男」は「ヤナギタクニオ」と「田」は濁らない。ちなみに濁音の歴史は浅い。公用文書にも濁点が使用されるようになったのは、大分時代が下った昭和に入ってからのこと。
 政府は、住民が市町村に届け出る氏名のうちフリガナについては、戸籍や台帳に記載が義務付けされていないので、今春から統一的な指針を作る方針を決めたという。現在は出生届や転入届にフリガナの記載は自治体職員の裁量に任されているという。フリガナの登録ルールがないことで、住民が不利益を被るケースがあったり、複数のフリガナを登録して銀行口座を作る手口で犯罪に悪用された例も確認されているという。
 天井には天女が描かれ、雲の上から見下ろしている。脇の木には袋が下がっている。これは天女がお釈迦様に下さった薬が入っているという。この絵にまつわる様々な話が伝わる。その薬を取りに行ったネズミを猫がたべたので、猫は十二支の仲間に入れない。スズメはあまりに急いだために、お釈迦様に躓いてしまい、今でも歩くときは足が不自由である。
 さらにホトトギスは化粧して死に目に会えず、悲しんで鳴きながら血を吐いているともいう。「泣いて血を吐くホトトギス」のことばは、ホトトギスの口の中が赤いことからつけられたようだ。この日に拾った団子を腰につけて山に入るとマムシに噛まれないといわれる。山に入るときは毛糸で編んだ袋に団子を入れ、身につけてゆくという風習も伝わっている。
 住民フリガナの時期が過ぎると雪国もいよいよ待ちに待った春がやってくる。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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