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新一年生みんないいこ読本 | 悠久録(長岡新聞コラム)

悠久録column

新一年生みんないいこ読本

 新しい年度が始まった。大きなランドセルを背負った一年生の姿を見かけるようになった。昭和22年、今は廃校になった上小国村立結城野小学校に入学した。この年、教育基本法が制定され、6・3・3制の新しい教育制度が発足した年であった。
 母から入学前にカタカナ文字を習ったのに、入ってみるとひらがなから先に習った。そして初めて手にした教科書が「みんないいこ」読本と呼ばれるものだった。その文字は70年後の今でもはっきり記憶している。
 「おはなをかざる/みんないいいこ/きれいなことば/みんないいこ/なかよしこよし/みんないいこ」と続くものだった。調べてみるとこの本が戦後に発行された最後の国定教科書だった。
 『日本教科書大系』の解説によると、新しく編集された第6期国定教科書である『こくご』は昭和22年4月より使用せねばならなかった。このため「社会情勢の著しいときに、教育基本法、学校教育法、学校指導要領の完成される以前にそれを予想しつつ編集を進めなければならなかった」とある。またひらがな先習についても「太平洋戦争終了後、憲法や法律までひらがなが用いられるようになった。まして、その他の日常文は、もっぱら、ひらがなが用いられ、かたかなは外来語、動植物、擬音などの特別語に限られて用いられるようになった」と説明している。
 残念ながら今年の一年生の教科書を見る機会がない。おそらくきれいなカラーの教科書に違いない。新一年生にエールを送り、その教科書ですくすく伸びていってほしいと願う。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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