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認知症の世界 | 悠久録(長岡新聞コラム)

悠久録column

認知症の世界

 認知症と物忘れの違いはタンスに例えられる。認知症というのは、記憶のタンスが壊れて開けられない状態。物忘れはタンスの引き出しが引っかかって開けにくい状態の事をいう。開けられれば思い出す。
 長岡市中之島在住の、薬剤師、カウンセラー、健康運動指導者など様々な肩書を持つ南雲陽子さんの話を聞く機会があった。先生の巧みな話術は聞いている人を引き付けた。記憶のタンスは認知症になると、新しい方から壊れてゆく。昔の記憶は下の引き出しにはいっているので、よく覚えている。今の事は覚えられず、すぐ忘れる。そうすると、不安になり、動き回ったり、うずくまって動かなかったり、叫んだりする。
 だが、たくさんの事を感じている、この人が自分を大事にしてくれる人か、いじめる人か、その感情で生きている。それは本能的なもので、家族であっても、いつも叱ってばかりいると、非常に不安になる。
 先生は認知症の義母を世話した経験を話された。正月が来るのに、家には餅の用意がないとしきりに言うので、用意してあると何回言ってもすぐ忘れて「餅の用意がない」を繰り返す。それが不安になる。そんなとき、目の前に餅を置いて、にこにこ笑って話しかけると相手も安心する。しかし、そういう人と常に接していると疲れるので、努めて他の人の力を借りる工夫が必要。
 最後に認知症の予防策としてバランスの良い食事、体を動かすこと、他人と積極的に交流すること、脳を使う生活習慣をつけることが大事と話を締め括られた。認知症予防に努めたい。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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