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秋保温泉の旅へ | 悠久録(長岡新聞コラム)

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秋保温泉の旅へ

 県境の山々はすっかり紅葉し、燃えるような赤で染まっていた。11月初め仲間と仙台郊外の秋保温泉(あきうおんせん)に行ってきた。団体旅行バスの乗客は30人だった。行きは日東道から113号線を走り、赤芝峡を超えて山形県小国町・飯豊町を通った。
 赤芝峡の全山燃えるような紅葉が素晴らしかった。赤芝渓谷は、磐梯朝日国立公園に属する荒川峡の中で、最も見事な地形を見せる峡谷。巨岩がひしめく両岸にはヤマモミジ、イタヤカエデ、ブナ、ヤマウルシなどの落葉樹が多く、10月下旬頃から峡谷は変化に富んだ紅葉で彩られる。
 夜は秋保温泉の大きな岩石風呂で体を温めた。仙台からも近いため、宿泊のみならず、日帰り入浴にも利用されている。同じ宮城県の鳴子温泉、福島県の飯坂温泉とともに奥州三名湯の一つとして数えられる。また古くは「名取の御湯」と呼ばれ、兵庫県の有馬温泉や愛媛県の道後温泉と並んで「日本三名湯」の1つという。
 秋保温泉の「保」は、なぜ「う」と読むのか。由来には多くの諸説がある。ネットでは、平安時代にこの地を治めていた「藤原秋保」という人物にちなむという説・詩経あるいは易経にある「百寿ノ秋ヲ保ツ」という長寿を意味する言葉から来ているという説・秋保大滝は秋保の象徴であるが、アイヌ語では滝のことを「アボ」といいこれにちなむという説と様々あるようだ。
 帰りは三陸海岸の塩釜に寄ったが、三陸とは陸奥・陸中・陸前の3つの陸が地名のもとになっていると初めて知った。秋の奥州を満喫した旅だった。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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