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「語り」を聞き金沢へ出かける | 悠久録(長岡新聞コラム)

悠久録column

「語り」を聞き金沢へ出かける

 11月23日、昔話の語りがあるというので金沢まで一人で出かけた。北陸新幹線ができてから金沢へは直通で行けない。「急行しらゆき」で上越妙高まで行き、そこから北陸陸新幹線に乗った。連休初日とあって、どこも観光客でいっぱいだった。外国人の姿も多く見かけた。
 ホームに長岡民話の会会員で金沢に住むMさんが待っていてくださった。会場の金沢文芸館まで、バスで出かけた。ここはかつての銀行の建物で2階は五木寛之文庫。金沢ゆかりの五木寛之の自筆原稿と出版された書籍が陳列されている。3階には金沢出身の作家泉鏡花文学賞の作品が並んでいた。1階は文芸サロンになっていて、昔話の語りはここが会場になった。ほぼ30人ほどは入れるこじんまりした場所だった。
 語る人は荒木明日子さん、寺の坊守というスラリとした美人だった。グラフィックデザイナーでイラストレーター。子育て中に「昔話の語り」活動を始めたという。1時間20分の間に「芋掘り藤五郎」「飴買いゆうれい」「三枚のお札」「安寿姫と厨子王丸」の4話を一人で語った。その間に金沢弁講座や昔の道具のクイズなどを入れて受講生を楽しませた。
 「安寿と厨子王」はご存知、新潟県が舞台である。直江津の港で野宿していたところを人買いの山岡太夫につかまって親子別れ別れになる。安寿と厨子王は山椒大夫の屋敷で薪取りと潮汲みの重労働に使われる。安寿は弟を逃がし、自ら命を絶つ。
 厨子王は都で偉くなって盲目の母と対面する。荒木さんの語りに魅せられた金沢行きだった。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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