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企画展「雪之図」を見る | 悠久録(長岡新聞コラム)

悠久録column

企画展「雪之図」を見る

 山と積んだ雪の塊を二人で、畚(もっこ)で担いでいる。巨大な材木を大型のソリに載せて、雪原を運んでいる。
 こんな生き生きした雪の中の暮らしを描写した絵が展示されている。市立科学博物館で開かれている長岡開府400年企画展「雪之図」を見た。「雪之図」は、牧野家十一代藩主牧野忠恭(ただゆき)が藩のお抱え絵師飯島文常(ぶんじょう)に描かせたものとされ、長岡城下における雪中往来、除雪や掘り上げなどが雪の民具と共に鮮やかに描かれて、長岡市指定文化財になっている。二巻に分かれていて、一巻は序文と町の中の風景、二巻はその雪中で暮らしている人々の様子が描かれている。
 なおもっと詳しく見てみると、山のように積まれた通りの雪の山には、高い雪の段が作られている。赤い鳥居の扁額文字が隠れるほどの積雪の様子。屋根に高く積もった雪の山をコスキと呼ぶ除雪用具で掘り、それを背中に背負った籠に投げ込む様子、雪壁を穿って穴を掘り、その向こうにある井戸から水を汲んでいる様子、これらは、道路が雪捨て場になっていて、道の向かいに行くための通路でなかったかと思われる。カンジキを履き、コスキで除雪している様子など様々な風景が描かれている。
 金属製のスノーダンプができ,重い雪を遠くまで楽に運べるようになったのは、昭和30年代と言われている。そして、機械除雪となって、除雪にも大きな変化が起こっている。
 屋根の上で遊ぶ犬に雪玉をぶっつけたり、大雪の中でただ嘆息していただけでなく、人々は生き生きと暮らしていたのではないだろうか。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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