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新潟の美術家展を見る | 悠久録(長岡新聞コラム)

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新潟の美術家展を見る

 長岡市美術センターで開かれた「新潟の美術家たち展 [」が終った。この展覧会は先日講演していただいた佐藤和行氏のチラシで知った。この展覧会はT・U・Vが浦佐の池田美術館、W・X・Yが柏崎のソフィアセンターで開かれ、今後は長岡美術センターで開くという。代表は長谷部昇氏、他に赤尾恵美子・阿部克志・井畑和弥・カルベアキシロ・佐藤和行・本間恵子・松本泰典らの7人の作家が名を連ねている。
 この中で特別企画展示長谷部昇氏の「ことば+色彩(いろ)・形態(かたち)」の個人史の壁面一杯の大きな画面に眼を奪われた。長谷部氏とは知り合いで何回か展覧会にも足を運んでいる。黒を主体としたどちらかというと暗い感じがする絵である。しかし、ここには長谷部氏の反戦、反権力の深い思いが込められている。
 「昭和という時代に、生を受けた一人の人生が時代の変化に重ねて、巧みに表現されている。戦争に明け暮れた昭和、その昭和史を一人の人間長谷部昇を通して、語りつづけてゆく。彼に人生に大きな影響を与えた、早世の画家、名もない老人、軍人たちの人物像。彼を取り巻いて揺り動かした時代の波。それは作られたドラマでなく、必然的に神がしつらえた道を思わせる。三百余万人が亡くなった大戦、三十余万人の戦災孤児が、一人で人生を乗り越えなければならなかった時代。日本人が、これほど生きるという事を真剣に考えた時代はない」と長岡造形大初代学長・元理事長豊口協氏も述べている。
 佐藤和行氏のきゃしゃな女性像と内臓の組み合わせに興味惹かれた。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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