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雪の予報 | 悠久録(長岡新聞コラム)

悠久録column

雪の予報

 雪の季節になった。今はきめ細かく、丁寧にテレビやラジオ、そしてスマホでなどで明日の天気一週間先の天気、そして冬の雪の量まで知らせてくれる。昔はカマキリの巣の高さでこの冬の雪の嵩を当てたりしてきた。天気に関する様々な諺が生まれてきた。
 「黒姫の三度目の雪が里の根雪」「黒姫の笠雪・蓑雪」黒姫(891メートル)は米山・八石と並ぶ刈羽三山の名峰である。その山に三度目の雪が里の初雪に繋がるという諺である。笠雪というのは、頂上付近が白くなることであるし、蓑雪は麓まで雪が積もることである。雪の積もり具合を笠と蓑に例えるなどいかにも農民らしい諺である。
 「雪道と鯨汁は後ほどよい」という諺も今の人にはなかなか通じない。雪道を歩くという経験がほとんどないせいだろう。雪がどれほど積もろうとも除雪が行き届いて雪道を藁沓やゴム長靴で歩くことがなくなった。かっては雪のどさり積もった朝はどの家でも道踏みが大仕事だった。子ども達が学校へ行くまでに道を踏まなければならなかった。人の道踏みした後を歩くのは楽だった。
 「鯨汁」も今は高価で食べにくいが、かっては安くておいしい蛋白源だった。肉を食べた後に残った汁に旨味が染み込んでおいしかった。本来なら結びつかないような言葉を結びつけて人の意表を突くのが諺の魅力である。(ひこぜん)


※「悠久録」は長岡新聞の一面コラムです。

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